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今日の一話 –アニメとドラマと映画と私–


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2019  01:21:03

#映画 「バクマン。」レビュー(ネタバレ有) 誰でも楽しめる邦画の最高峰!

今更これまでアニメでしか観たことが無かった「バクマン。」の実写映画をNetflixにて鑑賞。


確か公開後の評判もすこぶる良かったですし、昔アニメも見ていたのでかなり気になっていたのですが、今更の鑑賞です。



そもそも原作はNHKでアニメ化されるほど毒が無く幅広い世代から愛されている作品ですが、実写化された本作も評判通りすごく良かったです。
誰でも楽しめる邦画の最高峰だと思ったのですが、特にすごいと思った点を挙げていきます。

キャスティングも芝居も意外としっくりきてすごい


まずキャストを知って「最高と秋人は逆が良いなぁ」「ていうか2人ともあんまりイメージに合わないなぁ」とか思っていたのですが、観てみると主人公2人を含め他のキャスティングも意外とマッチングしていて、すっかり引き込まれてしまいました。
後から改めて考えてみると、むしろ原作、アニメの方がちょっと不自然に思えるくらい、この映画のキャスティングはしっくり来ました。
秋人の「俺と組んで漫画家になろう」という提案は人懐っこい性格、ビジュアルのキャラクターであってほしいので、原作やアニメの描かれ方はちょっとインテリ、クールっぽさが強すぎたんじゃないかと。
神木隆之介さんくらい、人懐っこくて可愛らしいイメージの方が合っていると思います。
最高の方は逆に原作、アニメだと角が無くてとっつきやすい印象なんですが、映画では佐藤健さんが不器用で頑固な雰囲気を出しています。
好きな子にハッキリ気持ちを伝えながらも恋人らしい付き合いをしなかったり、夢と向き合うと決めてからはひたすらストイックに挑み続けるキャラクターなら、確かにこの路線の方がはまります。
このように、今まで「このキャラクターはこんな感じ」と思っていた雰囲気とは全く違う印象なのに「これも良い」と思わせてくれるキャスティングが多かったです。


漫画っぽい、ダイナミックで遊び心のある演出がたくさん!


NHKで『浦沢直樹の漫勉』という番組があります。
普段は立ち入ることができない漫画家たちの仕事場に密着した番組。
あの番組を見たときに、漫画家の頭の中の世界が、私たちの目に触れるまでにどうやって生まれてくるのか、考えたこともなかったな、とあらためて思ったのです。
線一本一本に込められた意味、キャラクターの存在意義、世界観を繋ぐコマ割。
自分の表現したいものと多くの人に読んでもらうもの、という商業漫画世界で戦っている漫画家たち…。

そう、まさにペンという剣を持ち、戦っているように見えたんですよね。

バクマン。はそんな漫画家の世界を描いている話、高校生漫画家二人組の話です。
その世界をどう描くのか?と思っていたのですが、
原作やアニメより漫画らしさのある実写映画に仕上げていました。

自分たちが漫画の中に入って作業する表現があったり、机の上で絵を描くという地味な作業にプロジェクションマッピングが採用されていたり、作業の進捗が壁に投影されたりと、ワクワクする演出が多かったです。
デスクワークなのに、まるでアクション映画のような見せ場になっていました。
他にも、本棚に並んでいる漫画の背表紙がエンドロールになったりして遊び心満載です。実在する漫画もまぎれているので、油断するとエンドロールが始まったことに気付かない可能性もあったりなかったり。
映画ならではの面白さ、「モテキ」で有名な大根仁監督らしさが出ています。


各シーンでさらっとかかるマニアックな音楽がすごい


作中、クラブミュージックが当たり前にかかって、その時々の感情表現をさらに増幅させているように感じました。
音楽を担当しているサカナクションは歌もののイメージしかない人も多いと思いますが、BGMを作ってもこんなに素晴らしいのですね。

2時間枠でのまとめ方がすごい


テレビアニメの劇場版は、時間枠への収め方で躓いているパターンが多い印象ですが、この作品はその辺がうまいです。
原作では声優を目指すヒロイン亜豆美保と最高、秋人3人で一緒に夢を叶えようという意味を込めて「亜城木夢叶」というペンネームまで作って取り組んでいましたが、この映画ではその要素を大幅にカット。
その結果、割と「2人の少年の夢」と「1人の少女の夢」という形で描かれていますが、原作通りにやろうとすればきっと上手くいかなかったでしょう。



色々な人にとって、ふと働き方について考えるきっかけになりそう


あくまで少年誌系!という雰囲気の作品ではあるのですが、若者らしい無茶と現実の厳しさがバランス良く盛り込まれているので、若い人なら将来の夢や仕事のことを、働いている大人なら今の働き方について考える良い機会になると思います。
「最高が身体を壊しても精神力で奇跡を起こす」というストーリーがフィーチャーされているので、結果、「精神論や無茶を美談にしているから危険」というレビューもあるようですが、このくらいは入っている方が少年誌系としては自然かなと思います。
むしろ「実力以上の次元で無理をして何かを勝ち取っても、長くは続かない」とか「夢の実現に全力を投入した結果、失ったものもあった」とか「努力したところで報われないこともある」という厳しい現実の方もかなりしっかり描かれていたように思うので、働き方を考えるきっかけになるのではと。
世の中的には「働き方改革」がかかげられ、「わたし、定時で帰ります。」「きのう何食べた?」といったドラマが放送されるなど、がむしゃらに働かないことを許すようなストーリーを語る風潮ですが、もっとこういった楽しいけど厳しい感じの働き方も見せていく方が、みんなが自分に合った働き方を自分で考えて模索するきっかけになりそうです。
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